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それは秋になったばかりの午後のことでした。
珍しく私にハガキが一枚届いたのです。

__姉さん、お元気でしたか。 私は ここで暮らしてます。
渡したいものもあるので、ついでのときにでも訪ねてきて下さい。__

差出人の名前は妹のものでした。
間違いなくクセのある妹の字で、住所の地名は私にはさっぱり
見当もつかない場所でした。
その日一日私は少し考えました。
けれど結局、翌朝にはハガキを持って駅に向かっていたのです。

地下鉄を乗り継いで駅に着いた私は、注意深く窓口を観察し、
できるだけ愚鈍そうな駅員さんのところを選んで、列に並びました。
イライラと待ちきれずに他の列へと移る人々を後ろから眺めている間に
案外早くに私の順番は回ってきました。

「はい、どちらまでですか」
私は窓口に手を差し入れて、お金をのせる青い皿に
妹からのハガキを載せて言ってみました。
「そこにいきたいのです。」

駅員さんが怒り出すかもしれないと、内心びくびくしました。
すると駅員さんはハガキを手に取ると住所を見ていました。
「電話とかで、連絡つかないですか?」
「わからないんです。」
駅員さんはのんびりと私に言いました。
「ここは結構遠いですよ。途中まで新幹線を使われますか?」
「・・・新幹線でどこまで行くんですか?」
「京都で乗り換えになりますね。そこからもかなりあります。」
「京都ですか。」

すると片道で軽く一万円を超える金額になります。
私は行って、そして戻らなければなりません。
本当は見なくてもわかっていたのですが、
私は私のサイフを開いて、中身を覗いてから、駅員さんに告げました。

「乗車券だけでオネガイできますか?」
「そうですか。では発券します。」

そして私はいわれるままにお金を差し出し、
引き換えにわずかなつり銭と、見知らぬ駅までの切符を受け取りました。
「新快速や快速には乗れます。
京都に着いたら駅員に乗り換えホームを尋ねてください。」

私は西へ向かう快速に乗れることができました。
覚悟してたより、車内の混雑ぶりはずっとマシでした。
私は乗車口付近に寄りかかって、過ぎてゆく街並みを眺めてました。
一時間ほども乗っったでしょうか。
私は、空席を見つけることができました。
外の風景は、もう街ではなくなっていました。
今日のうちにはつかないのかしら。
そんな考えが沸き起こりはしたのですが、
それより目の前を遠くに過ぎてゆく作物たちが気になっていました。

あれは畑だったのでしょうか。

 

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